2017年における私のアワードは、「SoFi」です。近年世界規模で取りざたされる奨学金の返済問題。日本でも二人に一人は奨学金を利用しており、2016年ではそのうちの32万人が様々な理由で返済が困難となり延滞を経験、自己破綻者は1万人を超えています。昨年から政府も給付型及び所得連動型の奨学金制度をスタートさせるなど対策は考えられているものの、その恩恵を受けることができる人は限られています。そんな中、海外では民間でこのような問題の解決に取り組む企業があります。それがSoFiです。SoFiは、学費ローンの借り換えを中心としたソーシャルレンディングサービス事業者です。SoFiのサービスは、
借り手である学生をビッグデータに基づき個別具体的に評価することで、国や銀行の奨学金制度よりも低い利率で貸し付けを行うことに成功しています。資金の出資者は、対象となる学生の卒業生を中心とした投資家達。自分たちの後輩であり、未来を担う学生を応援する、借り手にも貸し手にも嬉しいサービスです。利用者である学生の数はすでに35万人を超え、まさにpeer to peerな企業として、社会に大きく貢献しています。さらにSoFiでは、レンディングサービスに付随して
学生の就職等キャリアサポートに加え、利用者間のコミュニケーションの場を作ったり金融教育等も積極的に行っています。回収リスクの保全であることはもちろんですが、ただのビジネスではない並々ならぬ姿勢を感じます。日本でもソーシャルレンディグ事業者はここ数年で急増していますが、SoFiのような社会性の高い事業者を私は知りません。「Social Finance」を略した社名のSoFi。「ソーシャル」のあり方を改めて考えさせてくれる企業です。日本にもこうした企業ができたらいいなと願います。 参考
「SoFi」