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 デザイン  2016.11.29

どっこい生きている“カミ”の逆襲!

 
パンフレットなどの印刷物は、情報を伝えるためのメディアですが、企業と人とをつなぐコミュニケーション手段でもあります。最近では、インターネットなどのデジタルメディアも利用されています。情報発信するうえで、メディアを使い分けることは、コミュニケーションデザインでは大切なこと。今回は、従来型のコミュニケーション手段ともいえる印刷物に未来はあるのか? インターネットと対比させながら、その利点や特徴を探ってみました。

そもそもコミュニケーションってなに?

 コミュニケーションという言葉は、ふだんからよく使われますが、一言でいえば、「いろいろな情報を、いろいろな手段で互いに伝え合う」ことです。身近なところでは、手紙やメール・メッセージなどは代表的なコミュニケーション手段です。
 
 モノやサービスを提供する側は、消費者に購入してもらうため、「販売促進」というコミュニケーション方法を使いますが、その時に使うメディアとして印刷物やインターネットがあります。かつては印刷物が主流でしたが、スマートフォンの普及などもあって、最近ではインターネットを使った販売促進も目につきます。
 
インターネットを販売促進に使うことの利点としては、
 
・SNSなど双方向でのやりとり
・リアルタイムな情報伝達
・情報の編集や再利用の容易さ
・情報配信のコストが安価
 

 

などが挙げられます。
では、一方の印刷物を販売促進に使うことの利点には、どんなことが考えられるでしょう?

紙だってまだまだ捨てたものじゃない!

 情報伝達という部分で考えたとき、印刷物がインターネットと決定的に違うのは、印刷・製本というひと手間が加わることです。つまり、同じ情報を伝えるにしてもスピードやコストの面では、旗色はあまりよくありません。とはいえ、印刷物の利点や特徴もいろいろありますので、一例を挙げてみます。
 

◎ 利点や特徴その1:サイズや形状の自由さ

 
 金融業界に限ったことではありませんが、どの業界でもほとんどのパンフレットはA4サイズで横並び。もちろん、管理や印刷コストの面で選ばれているサイズだということは分かっています。ここは自由な発想で、出る杭になって打たれる覚悟を持ちましょう。
 
 極端な話、三角形でも円形でも情報を分かりやすく正確に伝えることができれば、サイズや形状の呪縛から解放されてもいいと思います。例えば、保険ショップでひとつだけ頭のとんがった三角形のパンフレットがスタンドに置いてあれば、思わず手に取ってしまうかもしれません。商品の中身も大切ですが「おやっ」と思わせる、目立たせる工夫があってもよいのではないでしょうか。
 

◎ 利点や特徴その2:読みやすく一覧性が高い

 
 これは印刷物の圧勝といってもよいのですが、文字の読みやすさと眼への優しさです。インターネットのフォントもweb用のフォントが開発されて、以前に比べればかなり読みやすくなってきています。とはいえ、ブルーライトな健康への影響や、加齢にともなう視力の衰えがあると、ネットの文章は読みづらいこともあるでしょう。
 
 印刷物なら情報の全体を一覧することができます。インターネットではリンクをたどって情報を読み進めなければならないこともありますが、印刷物なら全体を俯瞰しながら素早く情報へアクセスできます。新聞などは典型的な例ですね。
 

◎ 利点や特徴その3:スマホとの相性が実は抜群!

 
 すでに実践しているかもしれませんが、二次元バーコード(QRコード)を印刷物に刷り込むことで印刷物からインターネットへのアクセスが簡単になります。紙に刷り込まれたバーコードをスマホなどで読み込み、ネットへアクセスすれば、紙だけでは掲載しきれなかった情報や動画へのリンクなど、さまざまな仕掛けの起点として活用できます。

 
 マルチメディアという言葉が一時期流行しましたが、これはいくつかのメディアを並列的に利用する方法です。それに対して、最近では クロスメディアという言葉を耳にします。これは、メディア同士を互いに関連させて利用する方法で、バーコードとスマホの組合せなどはクロスメディアの手法です。アナログとデジタルを組み合わせて化学反応を起こす販売促進ともいえます。

 
 こうして見ていくと、印刷物だってまだまだ脇役にしておくにはもったいないほどのポテンシャルを持っています。むしろ、デジタルが台頭してきたからこそ活用できるシーンが増えてきているように感じます。
 
 印刷物とインターネットなどのデジタルを有効に使うことで、理想的なコミュニケーションデザインが完成します。印刷物をもっともっと活用して、「紙ってる!」といわれるような素晴らしい販売促進を実現してください。

ライター:高橋浩史
HIROSHI TAKAHASHI

DTPデザインディレクター
デザイン事務所、百貨店宣伝部、出版・映像会社で商業デザインの実務を身につける。三十路を過ぎた頃、デパ地下ベーカリーに転職してアルバイトや社員のマネジメントを経験。その後、広告代理店を経て、フリーのデザイン事務所を10年続ける。同時にコピーライティングの学習を開始。FP関係出版社に編集者として再就職すると、金融のことを何も知らないことに衝撃を受けFP資格を取る。2011年ファイナンシャル・プランニング事務所 FPライフレックス開業。“フレキシブルな人生を”という思いでつけた事務所名の通り、過去にこだわらない柔軟な生き方と、転職回数の多さは自分の強み。さまざまな仕事や働き方の経験から、一度きりの人生「やりたいことは、ためらわずに実行!」で夢や希望を実現してほしいと活動中。既存のファイナンシャル・プランナーの枠にハマらないアドバイスや情報提供を目指す。 >>プロフィール

 


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