HOME | コンテンツ | フィンテック | FinTech開発のカギは「Fine(ファイン)Tech(テック)」デザインにあり!

 フィンテック  2016.11.29

FinTech開発のカギは「Fine・Tech」にあり!

 

カオスのように成長するテクノロジーをファイナンスに応用するには? 

 シリコンバレーを発端に、今や世界中で爆発的に進むイノベーション産業。縦横無尽に、まるでカオスのように開発が進むイノベーション業界にとってファイナンス(金融)への開発「フィンテック(FinTech)」は、そのうちの一つでしかありません。また金融テクノロジーのために開発したことが、実は他の業界でも応用できる技術かもしれないと再発明されることもしばしばあるだけに、常に流動的に動くイノベーション業界には目が離せなくなってきた金融情勢。
 
そんなテクノロジーをファイナンスに応用し、産業の発展とともに大きな利益として還元する仕組みは、どのようなプロセスで開発したら良いのでしょう?また、それがブレイクスルーを引き起こし、世界的なヒットとなるにはなんらかの共通点があるのではないか?そんな視点でフィンテック(FinTech)を俯瞰し、個人的な意見として述べていきたいと思います。

テクノロジーを前に進めるだけでは生まれない。ブレイクスルーに必要な条件とは? 

 アップルやグーグルをはじめ、時価総額ランキングからも今や世界の巨人と言われる企業は、ほぼイノベーション産業に移り変わっています。時代の主役となる企業はやはり変化していくもの。それは今後もきっと変わりません。ただ、一つ言えることは、しばらくの間は、イノベーション業界が世界を引っ張る構図になっていること。それは私がここで述べるまでもなく、時代とはそういうものと素直に受け止めた方が良さそうです。
 

 
 そんな彼らが世界を作る開発の動機として、どこをみて行っているのでしょうか。これは新たなフィンテックのアイデアを練る上でも大いに役立つ視点であると考えます。そして、その奥にある思想の原点はどこか?ただただ革命的な開発を前に進め、より優れたテクノロジーを世界に知らしめることなのでしょうか!? 結論から言えば、それは間違いとなります。グーグルが常々、口にする「ユーザーファースト(ユーザー最優先)」の思想にある今、世界的に革命児となっている企業には、みな共通して、
 
 
より便利で、良いもの「fine(ファイン)」を作ろう
 
 
という動きがあるということです。テクノロジー開発だけで、その目的がなければ何の役にも立ちませんし、一部の人にしか理解できないものは、世の中に機能しないといっても過言ではありません。それが人間社会、世界の人々が「心地よい」「気持ちいい」「楽しい」「これは欲しい!」など、なんらかの「fine(ファイン)」を感じてこそ、世界的にヒットとなり、場合によってはイノベーションとなります。ただの自己満足ではイノベーションは起きないのです。
 
 私はファイナンシャルプランナーとして、この10年ほど最もエンドユーザーとなる消費者と向き合ってきました。そんなエンドユーザーが最終的に手にするものは、いつでも共通して「fine(ファイン)」がある時です。お金こそが、それが顕著に現れ、ファイン(fine)こそがカギとなっていると。その姿を目の当たりにしてきた10年間でした。だからこそ、フィンテックがこれから向かう先を少しだけ考察してみました。

フィンテック(FinTech)開発の行き着く先はどこに!?

 

 ここから先の未来、どんどん開発が進み新しいテクノロジーも生まれ、次々とフィンテック開発が進んで行くことでしょう。そんな先の世界でずっと残っているもの。それがあるのだとしたら、それは紛れもなくユーザーファースト(ユーザー最優先)という上に成り立つ、fine(ファイン)のある「FineTech(ファインテック)」であり、もう少し具体的に言えば、少し表現としては久しいのですが、
 
 
お金のユニバーサル・デザイン
 
 
にあるのではないかと考えます。結局、なんらかの「心地よい」「気持ちいい」「楽しい」「これは欲しい!」など、人として当たり前の「感覚」に馴染むものでなければ、長く使われるわけがないと考えられるからです。
 
 いくらシステムがカッコ良くても、それが使いづらいものであれば、まずエンドユーザーには普及しません。ユーザーファーストではないからです。私たち金融デザインTEAM「金融を、もっと普通に。」をコンセプトとするのも、こういう理由です。普通であること。これほどシンプルで不変で、そして難しいものはないかもしれません。けれど、フィンテック(FinTech)というテクノロジーの進化にある金融だからこそ、見失ってはいけない視点であると、私たちは考えます。

 
ライター:織田昌典
MASANORI ODA

金融デザインプロデューサー
元ミュージシャン。音楽活動に限界を感じていた2000年、ITバブルがきっかけで経済に興味を持つようになり、ファイナンシャルプランニング資格を取得。2006年「ファイナンシャルプランナー織田事務所」を設立。地道な活動の中でFP事務所を軌道に乗せると、FPを志願する仲間が集まりはじめ、 2012年FPが集まることで面白いことを生み出すカンパニー「織田プロダクション」を設立。名古屋証券取引所をはじめ、高校・大学など教育機関、銀行・ ファンド会社などと協業。様々なイベントを成功させる。また、その過程で「デザインと表現力」を高く評価され、2014年9月主にファイナンス分野を中心としたデザインオフィス「SHOWCASE」を立ち上げる。金融テクノロジーやデザインへの関心から、フィンテック分野の研究にも精を出し、FPからフィンテックFPへとシフトした最近。>>プロフィール

 

最新記事 new