FPデータSELECT100 2020.8.21
相続税を納めなくてはならない人は、100人中何人くらい?
両親が高齢になるにつれ、健康や介護についての心配とともに、相続税の心配をする人も少なくありません。実際には、どのくらいの人が相続税を納めているのでしょうか?
相続税を収める割合は8.5%
毎年、国税庁が「相続税の申告事績の概要」を発表しており、その中で、亡くなった方のうち、どのくらいが相続税の対象となったかが発表されています。
平成30年は、亡くなった方は約136万人。このうち、相続人に相続税がかかった人(故人)は約11.6万人でした。割合にすると8.5%。100人のうち8.5人に相続税がかかっています。
両親が住んでいる自宅があると、それだけでも税金が高そうなのですが、相続税の計算では、次の基礎控除の額を財産の金額から差し引くことができます。
基礎控除を超えた分だけに課税されるので、相続税がかかる人が意外と少ないというわけです。ただし、東京都の課税割合は16.7%と非常に高くなっています。続いて、愛知県14.3%、神奈川県13.3%などとなっており、地域によってもばらつきがあります。
ご自身の居住地域ではどのくらいか、ご興味があれば、地元の管轄の国税のサイトを見てみてください。
相続税の改正があったことを知っておこう
表を見ると、平成27年に課税割合が急増しています。これは、税制改正が行われたためです。平成26年までは、基礎控除の額が「5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)」だったのです。もし、法定相続人が3名ならば、平成26年なら8,000万円までは課税されなかった、ということです。
相続は何度も経験することではないので、平成26年以前の基礎控除額がインプットされたままになっている人もいるでしょう。思いがけず相続税がかかるようになっていた、ということもあるかもしれません。
以前よりは相続税がかかる人が増えているのも事実ですので、自分のケースで早めに試算しておきましょう。相続税がかからないことがわかれば心配事は一つ減りますし、もし、かかるようならば、納税のための現金をどこから捻出するかなどの対策を講じていきましょう。
※この資料は「FPデータSELECT100」のNO.97に掲載しています。
AKIKO TAKADA
取締役
大学卒業後、信託銀行に就職、人事部配属。宅地建物取引士の資格を取得し、念願叶い不動産部で働くも、お客様と銀行のハザマで苦悩する。「この人、この不動産買っても大丈夫だろうか」と思っても言えなかった罪悪感がその後私をFPへ導いてくれたのかも。信託銀行退職後、イベント会社、不動産コンサルティング会社を経て、1996年、ファイナンシャルプランナーとして独立。2010年まで女性3人で活動、年間300件の相談業務を行う。2010年より株式会社マネーライフナビの取締役。相談業務、執筆、セミナー講師というFP業務の3本柱中心から金融関係のコンテンツ作り中心へ。長年、個人のお客様の声を直接聞いてきたからこそ作れるコンテンツを提供しています。 >>プロフィール