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 FPデータSELECT100  2020.7.31

住宅ローンの返済額は、収入の何パーセントくらいが妥当?

 

この記事のタイトルは、よく聞かれる質問の一つです。住宅関連雑誌や書籍等では、25%くらいの数字を目にすることが多いのですが、実際はどうなのでしょうか?

住宅ローン返済に負担感を感じる人は多い

国土交通省「住宅市場動向調査(2019年度)」によると、物件タイプ別に、住宅ローンの返済負担率(世帯年収に対する住宅ローンの年間返済額の割合)は次のようになっています。
 

三大都市圏:首都圏、中京圏、近畿圏

 
分譲住宅をみると、年間返済額125.9万円で19.2%なので、年収は約656万円の世帯が平均的。
 
ボーナス返済がなければ、毎月の返済額は約10.5万円、借入期間30年、金利1.3%とすると、借入額は3,128万円。
 
というような購入者像が見えてきます。
 
さらに、この調査の中には、「住宅ローンの負担感」という項目があり、分譲住宅購入者に聞いた結果は、「非常に負担感がある」と「少し負担感がある」を合計すると、
 

・分譲戸建住宅購入者の場合 59.1
・分譲マンション購入者の場合 52.9

 
といずれも負担感があると答えている人が半数を超えています。
    

自分にとっての妥当な金額を慎重に考えて

 

ファインナンシャル・プランナーとして、多くのキャッシュフロー表の作成を手がけてきました。その中から経験値で出した答えは、これから、子ども2人の教育費がかかる30代の場合で、ローンの年間の返済額は手取額の22%程度が妥当なラインです。
 
手取額(税金、社会保険料を差し引いたもの)を年収の75%として、計算し直すと、年収656万円の場合の妥当な住宅ローンの年間返済額は108万円。毎月9万円程度です。
 
これくらいなら、子どもの教育費を貯めたり、老後のために毎月2万円程度を積み立てたり、できれば、家族旅行したりなどにお金を回したりもできるだろう、という経験値です。
 
ただ、子どもがいなかったり、もっと年収が高かったりなどの場合には、もっと多くの金額を返済に回してもOKという場合もありますので、あくまでも一つの目安です。
 
住宅購入以外にやりたいことも諦めずに列挙して、自分にとっての妥当な返済額を導き出してください。
 
このデータの5年間分の推移は、FPデータSELECT100NO.55に出ています。

 
「FPデータSELECT100」のご紹介はこちら
 
ライター:高田晶子
AKIKO TAKADA

取締役
大学卒業後、信託銀行に就職、人事部配属。宅地建物取引士の資格を取得し、念願叶い不動産部で働くも、お客様と銀行のハザマで苦悩する。「この人、この不動産買っても大丈夫だろうか」と思っても言えなかった罪悪感がその後私をFPへ導いてくれたのかも。信託銀行退職後、イベント会社、不動産コンサルティング会社を経て、1996年、ファイナンシャルプランナーとして独立。2010年まで女性3人で活動、年間300件の相談業務を行う。2010年より株式会社マネーライフナビの取締役。相談業務、執筆、セミナー講師というFP業務の3本柱中心から金融関係のコンテンツ作り中心へ。長年、個人のお客様の声を直接聞いてきたからこそ作れるコンテンツを提供しています。 >>プロフィール

 

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